ブリスベンのスカイラインは、2025年の不動産市場の好調を反映しています。2020年以降、住宅価格は75%も上昇し、2025年半ばには一戸建て住宅の中央値が101万ドルに達しました propertyupdate.com.au propertyupdate.com.au。シドニーやメルボルンと比較した手頃さや州を越えた人口移動を背景に需要が供給を大きく上回っています propertyupdate.com.au propertyupdate.com.au。専門家は今後も緩やかながら成長が続くと予測しています。例えば、Domainはブリスベンの一戸建て住宅の年間成長率を5%(2025〜26年度、中央値は約109万ドルへ)と予想しています propertyupdate.com.au。ユニット価格も約5%増加(約70万1千ドルへ)と見込まれています propertyupdate.com.au。全体として、住宅市場は上昇傾向、賃貸市場は極めてひっ迫、商業セクターは需要変化に対応中です。これらはすべて、大型インフラ(クロスリバー・レール、メトロ)、強い人口増加、政策対応によって形作られています。本レポートでは、購入者、賃借人、投資家、開発業者向けに最新のデータを分析しています。
住宅分野:価格と予測
- 現在の価格:2025年7月時点でブリスベンの一戸建て住宅の中央値は101万ドル、ユニットは71万8千ドルほどです propertyupdate.com.au。ブリスベンの住宅価格は他の主要都市を上回っており、2020年初頭から50%以上上昇しています propertyupdate.com.au。都心部のライフスタイルサバーブ(テネリフ、ニューファームなど)は数百万ドルの価値があり、郊外のエリアはより手頃な価格帯となっています。
- 価格動向: 住宅価格の上昇は緩やかになりましたが、依然としてプラスの成長を維持しています。年間の上昇率は一桁台半ばで推移しており、例えば2025年中頃の一戸建ては前年比約6.3%増 propertyupdate.com.au。ユニット(マンション)は非常に強い成長を示し(2024-25年度で約12%増)propertyupdate.com.au、買い手が都心マンションに流入しましたが、今後は年率約5%程度に落ち着く見込みです propertyupdate.com.au。
- 予測: 主要な予測機関(Domain、ANZ、BIS Oxfordなど)は、今後数年間も安定成長を見込んでいます。Domainの最新見通しでは、ブリスベンの一戸建ての価格はFY25に+5%、FY26にも+5%上昇するとされています propertyupdate.com.au。ユニット価格もFY26に約+5%の上昇が予測されています propertyupdate.com.au。中期的(2025〜27年)には、インフラ整備と南東クイーンズランドの年間約1.8%の人口増加がこの安定傾向を支えています。長期的には、2032年オリンピックや継続的な移住(2032年までに人口16%増加 propertyupdate.com.au)が構造的な追い風になるとされています propertyupdate.com.au abc.net.au。
- 市場メモ: ブリスベンはシドニーやメルボルンより手頃な価格帯(例:シドニーの中央値は一戸建て約170万ドル propertyupdate.com.au)を維持しており、買い手を引きつけています。住宅購入者向けの優遇措置(下記参照)や、市場の二極化(戸建ては上昇、高層ユニットは遅れ気味)も動向に影響しています。裕福な地区(テネリフ、ニューファーム、パディントン)が引き続き高価格帯をけん引し propertyupdate.com.au propertyupdate.com.au、周辺拡大地域(イプスウィッチ、ローガン、新興ノースコーストなど)は手頃な価格での参入ポイントとなっています。
賃貸市場の動向と利回り
- 空室率:ブリスベンの賃貸者は賃貸危機に直面しています。空室率は歴史的な低水準で、2025年1月には約0.8% sqmresearch.com.au(過去2番目に低い記録)です。多くの都心および都心周辺の郊外では、空室率は実質的に1%未満です。(SQMは2025年1月時点で市全体の賃貸リスティングが約2,877件のみと報告しており、激しい需要を反映しています sqmresearch.com.au。)
- 家賃:家賃は急激に上昇しています。2025年半ばまでの1年間で、ブリスベンの一戸建て家賃は約9~10%上昇し、ユニットの上昇率はさらに高いです silverhall.com.au。全体の中央値家賃は約週671ドル sqmresearch.com.au(2025年6月時点でも約0.6%上昇)。旺盛な需要(特に若い家族や移民層)と供給不足が家賃高騰の要因です。家主は一戸建てで4.5~5.2%の賃貸利回りを得ています propertyupdate.com.au(ユニットはやや低く、通常3~4%)が、他都市と比較しても依然として魅力的な水準です。
- 見通し:家賃は今後も上昇傾向にあります。SQMは今後数か月でさらに0.5~1%の上昇、2025年全体では年間約4~8%の家賃上昇を予測しています sqmresearch.com.au propertyupdate.com.au。しかし、家賃負担が深刻化しており、業界関係者はオリンピック関連地区(賃貸者が多い都心部)が再開発されると、賃貸者への圧力がさらに強まると警告しています abc.net.au。全体として、利回りは健全で空室率も極めて低く、投資家にとっては好都合ですが、借主には負担となっています。
商業セクターの概要
主要インフラプロジェクト
ブリスベンの不動産は、大規模な公共事業によって形を変えつつあります。
- クロスリバー・レール(2026年完成予定) – CBDに4駅(ボッゴ・ロード、ウーロンガッバ、アルバート・ストリート、ローマ・ストリート)を含む全長10.2kmの新しい地下鉄路線 crossriverrail.qld.gov.au。 これにより移動時間が短縮され、(例:ウーロンガッバのガッバ・スタジアム周辺など)開発回廊が開かれます。CRR駅周辺の物件は既に人気が高まっており、不動産仲介業者も注目しています。
- ブリスベンメトロ – 新しい高速バスネットワーク(2025年全面運行予定)は、郊外をCBDと専用バスウェイ(例:ハーストン、トゥーウォング駅)で結びます。メトロ駅周辺エリアは価値の上昇が見込まれています。
- クイーンズ・ワーフ(2024年) – CBDにある30億ドル規模のリバーサイド カジノ・リゾート・ホテル複合施設です。その完成によって、隣接するサウスバンクやカンガルー・ポイントの地区にもすでに好影響が及んでいます。
- 2032年オリンピック – ブリスベンのオリンピック開催決定は長期的な促進要因です。主要会場の発表(例:ビクトリアパークの63,000席スタジアム abc.net.au)が近隣の郊外で投資家の関心を呼び起こしています。これまでの例の通り、オリンピック効果は大きく、シドニー2000大会の後は新スタジアム付近の郊外で中央値価格が3年で約66%上昇しました abc.net.au。専門家は、ブリスベンでもこれらの地区を中心にしっかりとした基礎成長に加えて上昇が見込まれると考えています abc.net.au abc.net.au。
- 道路・空港・その他 – M1パシフィック・モーターウェイ(ゴールドコースト)、ノース・サウス・コリドー、ブリスベン空港再開発などのアップグレードも地域の交通利便性を高め、間接的に周辺郊外の不動産価値を支えています。
人口動態と移住
ブリスベンの市場は人口増加によって支えられています。クイーンズランド州の人口は急増しており(2024年6月までの1年間で2.3%増加 propertyupdate.com.au、全国平均の2.1%を上回っています)。南東クイーンズランド(グレーター・ブリスベン地域)は最も速く成長しており、最近では年率約1.9%で、都市圏外は約1.4%となっています propertyupdate.com.au。特に重要なのは、州間移住が非常に多いことです。クイーンズランド州は2022-23年に圧倒的に多くの国内移住者を獲得しました silverhall.com.au。多くのシドニーやメルボルンの人が北へ移動しています。連邦政府の予測では、QLD州の人口は2032年までに16%増加(オリンピックの影響もあり)し、2046年には約827万人に達すると見られています propertyupdate.com.au。その新しい住民のおよそ80%がブリスベン地域に住むとされ、住宅需要は今後も強く推移すると考えられます。
住宅供給 vs 需要
供給が需要に追いついていません。最近のABSデータによると、2024年の住宅認可件数は171,394件(2023年から4.7%増)smartpropertyinvestment.com.auですが、これは年間約24万戸という目標にはなお大きく届きません。HIAによれば、2024年の認可件数は10年ぶりの低水準からかろうじて回復した程度であり、「基礎的な需要に見合う水準にはまったく届いていない」smartpropertyinvestment.com.auとのことです。Domainは明確に供給不足を主要な強みとして掲げています:「住宅供給は需要のペースに追いついていない」s3.ap-southeast-2.amazonaws.com。要するに、SEQの新規住宅供給のパイプラインはコスト、人手不足、開発業者の慎重姿勢によって制約されているため、既存住宅がほとんどの需要を吸収し(価格や家賃の高止まり要因となっています)。工業用物件の供給は2024年にピーク(約260万平方メートルの追加)となり、2025年には約52万平方メートルまで減少する見通しですassets.cushmanwakefield.com——この縮小傾向が工業用物件の空室率の低さ維持に寄与する見込みです。全体的に需給はひっ迫しています——購入希望者は住宅供給より多く、入居希望者も空室数より多い状態が続いており、今後の成長を下支えしています。政府の政策・インセンティブ
- 初回住宅購入者助成金(QLD): クイーンズランド州は手厚い支援を提供しています。新築住宅(新築・大規模リノベーションを含む)の場合、First Home Owner Grantは3万ドルです(2023年11月20日~2026年6月30日に契約締結の場合)qro.qld.gov.au(以前は1万5千ドル)。さらに、初回住宅購入者に対する印紙税の優遇措置により、約55万ドルまでの住宅は印紙税がゼロ、80万ドルで完全に優遇措置が終了しますqro.qld.gov.au(最大印紙税節約額は約24,525ドルqro.qld.gov.au)。これらの施策はエントリーレベルの需要を押し上げています。
- 連邦政府の優遇措置:ファーストホーム保証(HomeBuilder など)が拡大され、特に2026年1月からは初めての購入者がわずか5%の頭金で購入可能になります(価格上限・申請者数の制限なし)propertyupdate.com.au。2024年連邦予算案でも今後5年間で10万戸の新築住宅建設が約束されています(着工まで長いリードタイム)。これらの政策は買い手の支援を目的としていますが、供給の大幅な拡大には時間がかかる見込みです。
- その他の政策:最近の州予算では、マイナスギアリング/税制の設定は変更されていません。一部の成長回廊で都市計画規則が緩和されています。インフラ債や計画オーバーレイ(例:オリンピック地区)は、主要拠点周辺の開発促進を目的としています。ダウンサイズする人向けの土地税減税や非居住者へのサーチャージ(FIRBサーチャージ)は、従来レベルを維持しています。
購入者・投資家向けの注目サバーブ紹介
- 都心/ライフスタイル:テネリフやニューファーム(リバーサイドのシティフリンジ)がトップで、住宅中央値はそれぞれ$3.9M、$3.4M propertyupdate.com.au propertyupdate.com.au。これらの地区(同様にパディントンやレッドヒルも)は超充実のアメニティを誇り、景気循環にも耐えています。ウェストエンドやサウスブリスベン(活気ある文化エリア)も高値が続き($1.6~1.9M)propertyupdate.com.au propertyupdate.com.au、クイーンズワーフやオリンピック開催が近づくことでさらなる成長が期待されます。
- 中間圏:キャンプヒルやアッシュグローブはCBDから約8~10km圏内の家族向けエリア。良質な学校と生活環境、そして今も堅調な成長を兼ね備えています(中央値約$1.7M)propertyupdate.com.au propertyupdate.com.au。コオパルー、ウィルストン、チャームサイド、アッパーマウントグラバットなども中間圏候補で、やや低価格(多くが$700K~$1Mの一戸建て)ながら、人口動態や都市再生・交通整備の追い風を受けています。
- 成長回廊:さらに郊外では、ノースレイクス/レッドクリフ(市の北側)やイプスウィッチ/ブラスオール(南西部)が予算重視の建築業者や購入者に人気です。例えば、低いエントリープライス($600K未満の戸建て)と新しい設備(例:スプリングフィールドレイクス、ディンモア鉄道)があり、利回りを狙う投資家のホットスポットとなっています。これらの地域は、州のインフラ整備公約(新鉄道や高速道路)の恩恵も受けています。
- インフラ地区: ウーロンガバ(スタジアム/CRRゾーン)や ハーストン/ニューステッド(病院/医療地区)などの新駅エリアは、これから大きな成長が見込まれています。特にウーロンガバは最近、堅調な価値上昇が見られ、今でも多くの都心部より高い家賃利回り(需要が強い)を提供しています。近隣のカンガルーポイント(CBDから川を挟んで反対側)やボウエンヒルズ(鉄道ハブ/クラスター)にも注目です。
投資家向けアドバイス: 供給が限られている郊外(例:アッシュグローブ/レッドヒルのような土地に囲まれた高台)や、構造的に需要が強い地域(良い学校、雇用、交通が便利)を探しましょう。都心タワーマンション過剰供給(CBDタワー)は実績が振るわない傾向があるため注意が必要です。全てのセグメントにおいて、主要な交通機関や雇用プロジェクト(クロスリバー鉄道駅、オリンピック会場、病院地区など)に結びつく立地は勝者になる可能性が高いです clarkrealty.com.au abc.net.au。
最終見通し: ブリスベンの基礎要素—手頃な価格、成長、利回り—は依然として魅力的です。専門家の多くは、今後も堅調な成長が続くと予想しています(パンデミック期の高騰よりは緩やか)。ムーディーズやUBSによれば、ブリスベンは人口増加で全国をリードしており propertyupdate.com.au、経済の多様性も向上しています。地元および州外からの強い需要、記録的な低空室率、そして700億ドル超のインフラ投資が進行中で、2032年オリンピックを前にブリスベンが今後数年間で引き続き好成績を収める、もしくは少なくともオーストラリア他地域と同等の成長を維持するというのがコンセンサスです。
出典: 最新の市場レポートおよびDomain、CoreLogic/ABS、SQM Research、Knight Frank、CBRE、クイーンズランド州政府、専門家による分析データ propertyupdate.com.au cbre.com.au assets.cushmanwakefield.com qro.qld.gov.au qro.qld.gov.au propertyupdate.com.au abc.net.au など、上記の通り引用。